「活動内容」

01活動の目的

会員活動の1つ、会員内で活動している「オープンダイアローグ」をご紹介します。

CDIに所属する会員が、「対話性(ダイアローグ)」を身近な場面で活用できるようになる事を目的としています。
オープンダイアローグ(※1)の実践は難しいと思ってしまいますが、7原則と12の基本要素(※2)を理解し、実践することができれば、様々な場面で使うことが出来ます。

(※1)フィンランドの西ラップランド地方にあるケロプダス病院を中心に、1980年代から実践されてきた精神疾患に対する治療・ケア技法
(※2)7原則

【12原則】
① 本人のことは本人のいないところでは決めない
② 答えのない不確かな状況に耐える
③ 治療ミーティングを継続的に担当する2人(あるいはそれ以上)のスタッフを選ぶ
④ クライアント、家族、つながりのある人々を、最初から治療ミーティングに招く
⑤ 治療ミーティングを「開かれた質問」からはじめる
⑥ クライアントの語りのすべてに耳を傾け、応答する
⑦ 対話の場で今まさに起きていることに焦点を当てる
⑧ さまざまな物の見かたを尊重し、多様な視点を引き出す(多声性:ポリフォニー)
⑨ 対話の場では、お互いの人間関係をめぐる反応や気持ちを大切に扱う
⑩ 一見問題に見える言動であっても、 病気 のせいにせず、困難な状況への 自然な意味のある 反応であるととらえて、応対する
⑪ 症状を報告してもらうのではなく、クライアントの言葉や物語に耳を傾ける
⑫ 治療ミーティングでは、スタッフ同士が、参加者たちの語りを聞いて心が動かされたこと、浮かんできたイメー ジ、アイディアなどを、参加者の前で話し合う時間を取る
(出典:ODNJP「オープンダイアローグ対話実践のガイドラインウェブ版(第1版)」)
詳しくは下表をご参照ください。

【7原則】

1. Immediate help(即時対応)
意味:必要に応じてただちに対応する
2. A social networks perspective(社会的ネットワークの視点を持つ)
意味:クライアント、家族、つながりのある人々を皆、治療ミーティングに招く
3. Flexibility and mobility(柔軟性と機動性)
意味:その時々のニーズに合わせて、どこででも、なんにでも、柔軟に対応する
4. Team’s responsibility(責任を持つこと)
意味:治療チームは必要な支援全体に責任を持って関わる
5. Psychological continuity(心理的連続性)
意味:クライアントをよく知っている同じ治療チームが、最初からずっと続けて対応する
6. Tolerance of uncertainty(不確実性に耐える)
意味:答えのない不確かな状況に耐える
7. Dialogism(対話主義)
意味:対話を続けることを目的とし、多様な声に耳を傾け続ける

02活動の特徴

関係する人たちとの安心できる信頼関係を築くことで、自分自身への安心感を高めていくダイアローグがフィンランドにはあります。オープンダイアローグを基軸としていますが、早期ダイアローグ(※3)、未来語りのダイアローグ(※4)など、フィンランドのダイアローグを広く学び、参加された方と一緒に対話できる空間を持つことにより実践的な勉強会をしています。
会員同士、安心安全な場で対話することの心地よさを、グループワークやロールプレイを交えて感じることができる勉強会です。

(※3)コミュニティー内(家庭、学校、支援施設、会社、サークル等)で、人間関係の問題が起こった際に、困った当事者(支援者)が相手や周囲の関係者とのオープンな協力体制を作るためのアプローチ
(※4)当事者や家族支援をするにあたり、多職種の支援者間で連携がうまくいかなかったり支援が行き詰まっていたりする等、何らかの困難が生じた場合の問題解決のための対話の手法

03実施概要

【オープンダイアローグ自主勉強会2021年度実施状況(隔月実施)】
2月:ダイアローグの理解、グループワーク(ダイアローグで年間計画を考えよう)
4月:外部講師を迎え、オープンダイアローグの基本的な知識と実践を学ぶ
6月:「リスニングワーク」と「リフレクティングワーク」の体験
8月:「リフレクティングワーク」を深める
10月:「はじめの一歩サービス」オープンダイアローグを応用した支援の実際について事例報告など